古くなったメガネを買いに、街に出ました。私は、仕事でコンピューターの画面を見ることが多いのです。そのため最近話題の『ブルーライト』をカットするメガネを作ることにしました。競合する店舗の接客について、纏めてみます。
私の頭に浮かんだブランドは、2つです。1つのブランドは、既に使っているブランドです。
そんな中、もう1つのブランド(私が持っていないメガネ店)のお店に最初に行って見ました。
対応して頂いた店員さんは、若い女性でした。この時点では、ウインドウショッピングで、買う決断はしていません。直ぐに勧められたのは、視力検査でした。ちょっと主導権を取られる感じがしました。もう何年も検査をしていない私にとっては、興味があったので、検査をして頂くことにしたのです。
営業は、お客様に、イメージさせたり、体験をさせることを戦略的に取り入れると営業成績が上がります。この女性、親切に検査結果と、レンズの種類、見え方の違いなどを提案して頂きました。私の仕事について、コンピュータエンジニア(近いものを見る)、プレゼンや講師(近い、遠く両方見る)とシチュエーションが異なる場面で、メガネを使うとことも伝えました。それは、1つのレンズでは、何かを妥協する必要があります。それを、どのように解決しようかと、一緒になって考えてくれます。
次に、メガネのデザインです。私がビジネスで使うメガネは、少しキツイ印象を与えるとアドバイスを頂いたことを思い出し、それを今回解決したいと伝えました。ビジネスシーンで、ダークスーツで話すことを思い浮かべ、これも一緒に考え、いくつか提案して頂きます。
とても好印象だったのですが、ちょっと意地悪なことを話して反応を見ることにしました。コミュ二ケーショントレーナーである私にとって、その応対の仕方に興味があったからです。『今日は、競合である○○の商品を見に来たんです。その途中で、同じ商品を持っている、こちらに寄らせて頂きました。○○は、どのように思いますか?』店員さん『○○さんには、良いところがあります。近くにお店がありますし、この店よりも種類が多いようです。私の○○には、私どもの良いところがありますから。宜しければ、○○さん近くにあるので、一度行って見られたら如何ですか?』
荒削りながら、基本を押さえたコミュ二ケーションスキルをお持ちだと感じました。更に、私が欲しいデザインも見つかりました。ここで買わない理由は、既にありません。しかし、比較検討せずに、購入するのもどうかと思い、保留のまま、お店を出ました。
そして、次が私が既に使用中のブランドのお店です。こちらは、お店が広く、お客様の出入りも多いようです。その結果、積極的に案内することはしないようです。私から、『こちらは、提案とかして頂けないのでしょうか?』と声掛けをして、『基本的に、お客様にお選び頂いております。勿論、店内をご案内させて頂きます。ところで、本日は、スグご案内が出来ますが、視力検査されますか?』。営業の流れを見たいので、お願いすることにしました。
検査担当者は、フロア担当者とは違って、民間資格を持った方が担当されるそうです。担当者は、男性で、とても声が良くスマートな印象です。最初の競合店と同じように、私のビジネスシーンを伝え、一緒に解決策を考えてくれます。保証期間内で、不具合があればレンズ交換の保証を使えると提案して頂きました。厳密には、異なる意味ですが、『リスクリバーサル』の提案です。レンズには、一長一短があり、それぞれ納期があります。従って、乱視用レンズを提案し、使用感が合わないのであれば、レンズ交換出来ますよ、お客様の不安要素(リスク)を取り除く提案です。これで、ここで好きなデザインさえあれば買う決断をしました。
ブランド○○では、顔の形とメガネフレームの型で、似合うパターンを提案しています。面長な私には、メガネフレームが丸く広い『ウエリントン型』が似合い、柔らかな印象を与えるとのことです。実際に着けて見て、気に入ったものが見つかりました。更に、年末セール商品でしたので、即決です。驚くことに、度付きなのに、30分で持ち帰ることが出来るとのこと。
しかし、一方で最初に行ったお店とおなじようなデザインやカラーが、このお店には無かったのです。そして、最初のお店でも、メガネを買うことにしました。当初は、1本買うと予定していたのに、2本買ってしまいました。
心理として、購買は、一瞬で決めているものです。最初のお店で、私の無意識では、『これ買う』って決めていたのです。好きな商品があったから?いいえ、それは違います。この女性の店員さんの接客がレベルが高く、この店員さんを指名して買うことを『決めていた』のです。
今の時代、商品は、市場に溢れるほどあります。2つのブランドは、大阪にも複数店舗展開しています。しかし、この店の、この店員さんから買うと決めたのです。どちらのお店も、『商品を売りつけない』『お客様の気持ちを否定しない』『買うかどうかは別にして、解決策を一緒に考える』基本スキルを持ち、お互いが競争し、切磋琢磨している様子は、厳しさの中にも、微笑ましいライバルであるのだって気づきがありました。
誕生日に、いい買い物と、いい出会いを頂きました。ご縁に感謝です。ありがとう。